ストレスチェック代行サービス比較|2028年義務化に向けて50人未満の中小企業がどう準備するか【中小企業向け】
2026.09.12

高卒・若手採用に力を入れる中小企業の多くは、労働者数50人未満の事業場です。これまでストレスチェックは「常時50人以上の事業場は義務、50人未満は努力義務」とされてきましたが、2025年5月に成立した改正労働安全衛生法と、その後の政令公布により、2028年4月1日から50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務化されることが正式に決まりました。せっかく採用した高卒・若手社員に長く定着してもらうためにも、制度対応と若手のメンタルヘルスケアを同時に進めておきたいところです。
とはいえ「何から手をつければいいか分からない」という担当者も多いはずです。ストレスチェックは医師・保健師など一定の資格を持つ「実施者」が携わる必要があり、社内に産業医や保健師がいない中小企業では、外部の代行サービスを活用するのが現実的な選択肢になります。本記事では、ストレスチェックの代行サービスを客観的に比較し、自社に合う選び方を整理します。
50人未満の事業場は2028年4月1日から義務化
2025年5月公布の改正労働安全衛生法と政令により、これまで努力義務だった労働者数50人未満の事業場も、2028年4月1日からストレスチェックの実施が義務になります。施行後最初の年度末(2029年3月31日)までに初回実施を終える必要があります。
ストレスチェック代行サービス比較表
| サービス | 特徴 | 料金目安 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| ストレスチェッカー(HRDataLab株式会社) | 導入企業12,000社以上。無料プランを用意し、WEB代行(57問)・紙プランも料金を公式サイトで明示。20年間のデータ保管が無料 | 無料プラン:0円(年500人以上は1人120円)。WEB代行(57問):1人275円(税込)または200人以下は一律55,000円。紙プラン:1人495円(税込)+基本料金22,000円(いずれも公式サイトに記載、50人未満向けの低価格プランは別途要確認) | まずは費用をかけずにシステムだけで法対応を済ませたい企業 |
| ドクタートラスト | 産業医紹介で全国トップクラスの実績。総受検者323万人超のストレスチェックサービスに加え、2025年9月から50人未満の事業場に特化した「ストレスチェック50」を提供 | 標準サービスは産業医契約の有無で料金が異なる(要問い合わせ)。「ストレスチェック50」はリリース時点(2025年9月)で通常価格3.3万円(税込)を予告(公式サイトで要確認)。受検人数によらず一律料金で、集団分析込み | 50人未満で2028年義務化に備え、今のうちに一度実施しておきたい企業 |
| 株式会社アドバンテッジリスクマネジメント(アドバンテッジ タフネス) | メンタルヘルス指標とエンゲージメント指標をかけ合わせた複合分析が特徴。経営層・人事・現場管理職向けに7種類のレポートを用意し、生成AIによるレポート要約機能も搭載 | 要問い合わせ(公式サイトに料金表の記載なし) | ストレスチェックと合わせて組織のエンゲージメント課題まで分析したい企業 |
| 保健同人フロンティア(HoPEサーベイ) | Well-beingスコア・ストレッサー・エンゲージメントを同時に可視化し、離職リスクや生産性の見える化を打ち出すストレスチェックシステム。Web・スマホ・紙受検に対応し、英語版もあり | 要問い合わせ(公式サイトで見積もり) | ストレスチェックの結果を離職予防や生産性向上の施策にまで広げて活用したい企業 |
※料金・サービス内容は変更される可能性があるため、導入検討時は必ず各社公式サイトで最新情報を確認してください。
そもそもストレスチェック制度とは
ストレスチェックとは、労働安全衛生法第66条の10に基づき、労働者のストレスの状況について調査票を用いて把握し、本人に気づきを与えるための検査です。2015年12月の制度開始以来、常時50人以上の労働者を使用する事業場では年1回の実施が義務づけられており、結果は労働基準監督署への報告書提出も必要です。一方、50人未満の事業場はこれまで「当分の間、努力義務」とされてきました。
実施義務そのものに罰則はないが、報告義務違反には罰金の可能性
ストレスチェックを実施しなかったこと自体への直接的な罰則規定はありません。ただし、常時50人以上の事業場が労働基準監督署への結果報告書を提出しなかった場合は、労働安全衛生法の規定により50万円以下の罰金に処される可能性があります。
2028年4月から50人未満の事業場も義務化される
2025年5月に成立・公布された「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」と、その後の政令公布により、労働者数50人未満の事業場についても2028年4月1日からストレスチェックの実施が義務化されることが正式に決まりました。50人未満の事業場は、施行後最初の年度末である2029年3月31日までに、最初のストレスチェックを完了させる必要があります。
厚生労働省の令和6年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、ストレスチェックの実施率は事業所規模によって大きな差があります。労働者50人以上の事業所では89.8%が実施している一方、30〜49人の事業所では57.8%、10〜29人の事業所では58.1%にとどまっています。義務化まで数年の猶予がある今のうちに、実施体制を整えておくことが重要です。
厚生労働省は、50人未満の事業場が円滑に対応できるよう、プライバシー保護に配慮した「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表しているほか、全国47都道府県の産業保健総合支援センター、全国約350か所の地域産業保健センター、ストレスチェック制度サポートダイヤル(0570-031050)といった相談窓口を用意しています。また、事業主団体を経由して産業保健サービスの費用の一部を助成する「団体経由産業保健活動推進助成金」も利用できます(個々の企業が直接申請することはできず、商工会・業界団体などの事業主団体を通じた申請が必要です)。
集団分析まで実施している事業所は約4分の3
令和6年労働安全衛生調査では、ストレスチェックを実施した事業所のうち75.4%が結果の集団(部・課など)ごとの分析まで行っており、そのうち76.8%が分析結果を何らかの形で活用しています。個人結果の通知だけで終わらせず、集団分析まで対応できるサービスかどうかも選定のポイントになります。
各社の特徴
ストレスチェッカー(HRDataLab株式会社)
12,000社以上の導入実績を持ち、官公庁や上場企業から中小企業まで幅広く利用されているクラウド型のストレスチェックサービスです。厚生労働省の制度に準拠したWEB・紙・OEMでの実施に対応し、料金体系を公式サイトで明示している点が特徴です。無料プランのほか、受検人数や実施方法に応じたプランを選べ、データは20年間無料で保管されます。50人未満の事業場向けの低価格プランも用意されていますが、金額は変更される可能性があるため公式サイトでの確認が必要です。
ドクタートラスト
産業医紹介事業で全国トップクラスの実績を持つドクタートラストが提供するストレスチェックサービスで、総受検者数は323万人を超えています。実施後1か月間は医療職への相談を無料で利用できるなど、実施して終わりにしない設計が特徴です。2025年9月からは、2028年の義務化を見据えて労働者数50人未満の事業場に特化した「ストレスチェック50」の提供を開始しました。1プランで49アカウントまで利用でき、受検者が10人以上であれば集団分析も料金内で行えます。リリース時点では通常価格3.3万円(税込、受検人数によらず一律)が予告されていましたが、現在の料金は公式サイトでの確認をおすすめします。
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント(アドバンテッジ タフネス)
ストレスチェックとエンゲージメントサーベイを一体で実施し、原因分析までを行うサービスです。労働安全衛生法で義務づけられた項目を満たしつつ、「メンタルヘルス指標×エンゲージメント指標」の複合的な視点で分析する点が特徴で、経営層・人事部門・現場管理職それぞれに向けた7種類のレポートを用意しています。生成AIによるレポート自動要約機能も備えており、分析結果を人事施策に落とし込みやすくする工夫がされています。料金は公式サイトに記載がなく、問い合わせが必要です。
保健同人フロンティア(HoPEサーベイ)
1946年創業の保健同人フロンティアが提供する、Well-beingスコアやストレッサー、エンゲージメントを同時に可視化できるストレスチェックシステムです。ストレスチェックの結果を「離職リスク」や「生産性」の見える化につなげる設計が特徴で、Web受検・スマホ受検・紙受検に対応し、英語版の機能も備えています。メンタルヘルス不調予防から復職支援までを一貫してサポートするEAPカウンセリングや、健康経営コンサルティングとあわせて利用することも可能です。料金は公式サイトに記載がなく、見積もりの依頼が必要です。
タイプ別おすすめ(向いている企業)
まずは費用をかけずに法対応だけ済ませたい企業なら
無料プランを用意し、料金体系を公式サイトで明示しているストレスチェッカーのようなサービスは、初めてストレスチェックを外部委託する企業でも検討しやすい選択肢です。
50人未満で2028年義務化に備えて早めに準備したい企業なら
50人未満の事業場に特化したプランを持つドクタートラストの「ストレスチェック50」のように、小規模事業場向けに設計されたサービスが候補になります。
ストレスチェックと合わせて組織のエンゲージメント課題まで分析したい企業なら
メンタルヘルスとエンゲージメントを複合的に分析できるアドバンテッジ タフネスのようなサービスは、離職予防の施策づくりまで一歩踏み込みたい企業に向いています。
結果を離職予防や生産性向上の取り組みまで広げて活用したい企業なら
Well-beingや離職リスクの見える化を打ち出す保健同人フロンティアのHoPEサーベイのようなサービスは、ストレスチェックを単発の法対応で終わらせたくない企業に適しています。
よくある質問
従業員50人未満の会社は、今すぐストレスチェックをやらなくてもいいのですか?
現時点では50人未満の事業場は努力義務にとどまっていますが、2028年4月1日からは義務化されます。義務化後は施行後最初の年度末(2029年3月31日)までに初回実施を終える必要があるため、早めに準備を始めておくと担当者の負担を抑えられます。
実施しないとどんな罰則がありますか?
ストレスチェックを実施しなかったこと自体に直接の罰則はありません。ただし、常時50人以上の事業場が労働基準監督署への結果報告書を提出しなかった場合は、労働安全衛生法の規定により50万円以下の罰金に処される可能性があります。
外部委託は必須ですか?
ストレスチェックの「実施者」には医師・保健師など一定の資格が必要です。社内に産業医や保健師がいない中小企業では、実施者を確保する意味でも外部の代行サービスを利用するのが現実的な選択肢になります。
費用はどのくらいかかりますか?
サービスによって幅があり、本記事執筆時点ではストレスチェッカーのように無料プランを公開しているサービスから、要問い合わせのサービスまでさまざまです。人数規模や集団分析の要否によっても変わるため、複数社に見積もりを依頼して比較することをおすすめします。
高卒・若手社員に実施する際に気をつけることはありますか?
初めて働く高卒・若手社員は、自分自身のストレス状態を客観的に捉える経験が少ないことがあります。ストレスチェックの結果を通知するだけでなく、結果の見方や相談先をあわせて案内することで、気づきを次の行動につなげやすくなります。社外の相談窓口(EAP)とセットで運用している企業もあります。
まとめ
2025年5月の法改正により、労働者数50人未満の事業場にも2028年4月1日からストレスチェックの実施が義務化されることが正式に決まりました。厚生労働省の調査でも、50人未満の事業場は50人以上の事業場に比べて実施率が低い傾向にあり、義務化まで数年の猶予がある今のうちに、実施体制を整えておくことが望まれます。
ストレスチェッカーのように無料プランから始められるサービス、ドクタートラストのように50人未満に特化したサービス、アドバンテッジ タフネスのようにエンゲージメント分析まで一体で行えるサービス、保健同人フロンティアのように離職リスクの見える化まで踏み込むサービスなど、それぞれ特徴が異なります。優劣で選ぶのではなく、自社の従業員規模や、ストレスチェックの結果をどこまで活用したいかという目的に合わせて選ぶことが大切です。
高卒・若手社員の早期離職理由として「人間関係」が上位に挙がることを踏まえると、ストレスチェックは単なる法対応にとどまらず、若手の小さな不調のサインに早く気づくための手段にもなります。「自社にどんな体制が合うか分からない」という方は、若手採用ラボの無料相談・資料ダウンロードもあわせてご活用ください。
出典
- https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70761.html
- https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r06-46-50_gaikyo.pdf
- https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html
- https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1251/Default.aspx
- https://doctor-trust.co.jp/company/news/release/250710.html
- https://www.stresscheck-dt.jp/sc50/
- https://www.stresscheck-dt.jp/
- https://www.armg.jp/mhlw/service/
- https://service.hope-survey.jp/price
- https://stresschecker.jp/
- https://www.komon-lawyer.jp/qa/qa6_4/
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