面接官トレーニング(面接官研修)サービス比較|高卒・若手採用の『面接官任せ』の評価をどう統一するか【中小企業向け】
2026.09.26

高卒・若手採用の面接は、大卒採用のように何十人もの専任面接官を揃えられる企業は少なく、現場の管理職や若手リーダーが本業と兼任で面接を担当することが多いのが実情です。人によって「見るポイント」や「合格ラインの感覚」がずれてしまい、良い人材を通過させられなかったり、逆に配属後にミスマッチが起きたりする——という悩みを持つ採用担当者は珍しくありません。
こうした属人化を防ぐ手段として注目されているのが、面接官トレーニング(面接官研修)です。ただし、提供会社によって「評価基準の設計から入るのか」「短時間の実践研修に絞るのか」で内容も料金の考え方も大きく異なります。この記事では、公式情報をもとに主要な面接官トレーニングサービスを客観的に比較します。
面接官トレーニングは『話し方講座』ではない
面接官トレーニングの本質は、話し方や印象づけのテクニックではありません。「何を基準に、どう見極めるか」を面接官同士で揃えることが目的です。評価基準がないまま研修だけを受けても、属人化は解消されません。
結論ファースト:どんな企業にどのサービスが向いているか
- まず1日型で費用感を明確にして試したい企業 → マイナビ研修サービス(公開型は1日・1名30,000円〈税別〉と料金が明示されている)
- 自社の課題に合わせて研修内容をカスタマイズしたい企業 → パーソルビジネスプロセスデザイン(基本プラン+追加コンテンツの組み合わせ、資料・録画データも納品)
- 新人面接官からベテラン・経営層まで幅広い階層に受けさせたい企業 → アールナイン(年間3万件超の採用支援実績、階層別のプログラム)
- 評価基準の設計から面接手順書、個別コーチングまで本格的に体制を作り直したい企業 → ジャンプ株式会社(100社以上・延べ1万人以上の支援実績、参考価格は50万円〜)
- そもそも面接官トレーニングより前に、高卒採用の選考設計自体を相談したい企業 → 高卒採用に特化したカケハシplusのような支援サービスに、選考フローごと相談してみるのも一つの方法
比較表
| サービス | 特徴 | 料金目安 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| マイナビ研修サービス(面接官研修) | STARモデルに基づく構造面接の手法を学ぶ1日型研修。公開型(1名から参加可)と講師派遣型、オンライン型を用意 | 公開型:30,000円/人(税別・1日7.5時間)。講師派遣型は個別見積もり | まず費用感を明確にした状態で、1日型の研修を試したい企業 |
| パーソルビジネスプロセスデザイン(採用面接官トレーニング) | 基本プラン(約2時間)に追加コンテンツ(2〜4時間)を組み合わせるカスタマイズ型。研修資料・録画データを納品 | 個別見積もり(公式サイトに金額の記載なし) | 自社の面接課題に合わせて研修内容を調整したい企業 |
| アールナイン(面接官トレーニング) | 年間3万件超の採用支援実績を持つ採用コンサル会社が提供。新人面接官から経営層まで階層別に対応 | 個別見積もり(公式サイトに金額の記載なし) | 新人からベテラン・経営層まで、幅広い階層に受けさせたい企業 |
| ジャンプ株式会社(面接官トレーニング) | 評価基準の設計・面接手順書の作成・トレーニング・個別コーチングまで一体で支援。100社以上・延べ1万人以上の実績 | 参考価格:評価基準設計150万円〜/面接手順書作成50万円〜/面接官トレーニング50万円〜(個別コーチングは応相談) | 評価基準の設計からやり直し、本格的に体制を構築したい企業 |
※料金は2026年9月時点の各社公式情報をもとに記載しています。パーソルビジネスプロセスデザインとアールナインは公式サイト上に金額の記載がなく、個別見積もりが基本です。ジャンプ株式会社の価格は公式サイトに掲載された参考価格であり、実際の見積もりは要件により変動します。
各社の特徴
マイナビ研修サービス(面接官研修)
マイナビが提供する面接官研修は、面接官の「見極め」と「惹きつけ」の両方のスキルを、1日7.5時間の研修で習得することを目的としています。STARモデルに基づく構造面接の手法を用い、応募者の本音を引き出す質問技術をロールプレイングで練習する構成です。公開型であれば1名からの参加が可能で、1名30,000円(税別)という料金が公式サイトに明示されているため、初めて面接官トレーニングを検討する企業でも予算感をつかみやすいのが特徴です。自社内で複数名にまとめて実施したい場合は講師派遣型となり、その場合は個別の見積もりが必要です。
パーソルビジネスプロセスデザイン(採用面接官トレーニング)
採用代行(RPO)や採用コンサルティングを手がけるパーソルビジネスプロセスデザインが提供する研修です。基本プラン(約2時間)を土台に、自社の課題に応じて追加コンテンツ(2〜4時間)を組み合わせられる点が特徴で、「属人化しがちな面接手法や判断基準を見直す」ことに重点が置かれています。研修終了後には研修資料や録画データが納品されるため、当日参加できなかった面接官への共有や、翌年以降の社内教育にも活用しやすい設計です。料金は公式サイトに具体的な記載がなく、個別相談が前提です。
アールナイン(面接官トレーニング)
アールナインは年間3万件を超える採用支援の実績を持つ採用コンサルティング会社で、面接官トレーニングもその知見をもとに提供されています。対象を「新人面接官」「面接経験の浅い若手社員」「通常業務で忙しい中堅社員」「経営層」まで幅広く想定しており、面接評価に影響するハロー効果や確証バイアスといった心理学的な観点も研修内容に含まれています。階層ごとに課題が異なる面接官を一括で育成したい企業に向いていますが、料金は公式サイトに公開されておらず、問い合わせや資料請求を経て確認する必要があります。
ジャンプ株式会社(面接官トレーニング)
ジャンプ株式会社は、面接評価基準の設計から面接手順の策定、トレーニングの実施、個別コーチングまでを一体で手がける採用コンサルティング会社です。100社以上・延べ1万人以上への支援実績があり、リピート率は80%を超えるとされています。公式サイトには参考価格として「選考フロー〜評価基準設計:150万円〜」「面接手順書作成:50万円〜」「面接官トレーニング:50万円〜」が示されており、他社に比べて金額のレンジが公開されている点が特徴です。単発の研修というより、評価基準そのものから作り直したい企業向けの選択肢です。
料金非公開のサービスが多いのは『内容がオーダーメイドだから』
面接官トレーニングは、企業の面接官の人数・経験・現状の評価基準によって最適な内容が変わるため、一律の料金を公開していないサービスが多くあります。比較検討の段階では「対象階層」「実施時間」「評価基準の設計まで含むか」で絞り込み、候補を2〜3社に絞ったうえで見積もりを取るのが現実的です。
タイプ別おすすめの考え方
面接官の人数が少なく、まず1日で試してみたい中小企業 公開型で料金が明示されているマイナビ研修サービスのような研修であれば、1名からでも参加でき、費用感を事前に把握したうえで検討を始めやすいでしょう。
面接評価のばらつきに、心当たりのある社員が複数いる企業 新人からベテランまで階層別に対応するアールナインのような研修であれば、面接官それぞれの経験に応じた課題にアプローチできます。
評価基準そのものが曖昧で、面接官任せになっている企業 ジャンプ株式会社のように評価基準の設計から手順書作成、トレーニングまでを一体で支援するサービスであれば、研修だけでは解決しない「そもそもの仕組み」から見直せます。
そもそも面接官トレーニングより前に、高卒採用の選考設計自体を相談したい企業 面接官の育成は選考プロセスの一部にすぎません。学校対応や選考フロー全体を含めて見直したい場合は、高卒採用に特化したカケハシplusのような支援サービスに、選考設計ごと相談してみるのも一つの方法です。
よくある質問
Q. 面接官トレーニングは面接官全員が受ける必要がありますか? A. 必須ではありませんが、評価基準のばらつきをなくすことが目的のため、面接に関わる担当者全員が同じ研修・同じ評価基準を共有している状態が理想です。人数が多い場合は、まずは主要な面接官から始めて段階的に広げる企業もあります。
Q. 高卒採用の面接でも面接官トレーニングは効果がありますか? A. 高卒採用に特化した研修プログラムは多くありませんが、「見極め」と「惹きつけ」の視点や評価基準を統一する考え方は、大卒・高卒・中途採用に共通する部分です。高校生特有の緊張しやすさや言葉少なな回答への向き合い方は、自社の過去の面接記録と合わせて研修内容に反映してもらえるか、事前に相談しておくとよいでしょう。
Q. 評価シートやチェックシートがなくても、まず研修だけ受けても意味はありますか? A. 意味はありますが、効果は限定的です。中小企業向けのある調査では、面接に評価シートやチェックシートを利用していない企業が68.8%に上るという結果も出ています(株式会社ネットオン「採用係長」ユーザー企業298社対象、2023年4〜6月実施)。研修と並行して、自社の評価基準を簡単なシートにまとめる作業をセットで進めると、研修の効果が定着しやすくなります。
Q. 料金を正確に知るにはどうすればいいですか? A. 今回比較した4社のうち、公式サイトに一律の料金が明示されているのはマイナビ研修サービスの公開型のみです。他社は個別見積もりが基本のため、候補を2〜3社に絞ったうえで、面接官の人数や現状の課題を伝えて見積もりを依頼するのが効率的です。
まとめ
面接官トレーニングには、1日型で料金が明示されているマイナビ研修サービスのような研修から、評価基準の設計から手順書作成、個別コーチングまで一体で支援するジャンプ株式会社のような本格的な支援まで、幅の広い選択肢があります。パーソルビジネスプロセスデザインやアールナインのように、自社の課題や対象階層に応じてカスタマイズできるサービスもあり、どれが正解というより「自社が抱える課題がどこにあるか」で選び方が変わります。
検討を始める際は、まず「面接官の評価にばらつきがあるのか」「そもそも評価基準自体が曖昧なのか」を社内で整理してみることをおすすめします。料金非公開のサービスが多いため、候補を2〜3社に絞ったうえで、自社の面接官の人数や課題を伝えて見積もりを取るのが現実的な進め方です。
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