内定者フォロー・内定辞退防止サービス比較|高卒・若手採用で入社までの不安にどう向き合うか
2026.08.11

高卒・若手採用に取り組む中小企業の担当者の多くは、内定を出した時点でひと段落ついたと感じがちです。しかし実際には、内定から入社までの数ヶ月間こそ、内定者が不安を抱えやすい時期でもあります。連絡が途絶えたまま入社日を迎え、初出勤で「思っていた会社と違った」と感じさせてしまうケースは珍しくありません。
厚生労働省の調査によると、2022年3月に卒業した新規高卒就職者のうち、就職後1年目で離職した割合は17.9%にのぼり、2年目(11.5%)・3年目(8.5%)を上回って最も高くなっています。入社直後の離職が多いという事実は、内定期間中の接点づくりが、入社後の早期離職対策の「入り口」にあたることを示しています。そこで本記事では、内定者との接点を保つための内定者フォローサービスを、公平な視点で比較します。
高卒の内定辞退は「比較」より「不安」から起きやすい
大卒採用では複数社の内定を比較検討したうえでの辞退が起こりやすい一方、高卒採用の多くは一人一社制のもとで進み、生徒は基本的に1社にしか応募しません。そのため内定後の辞退や早期離職は、他社と比較した結果というより、本人の孤独感や、進路指導の先生・保護者に伝わる不安から生まれやすい傾向があります。だからこそ、内定期間中の継続的な接点が重要になります。
結論:目的とかけられる予算で選ぶサービスが変わる
- まず費用をかけずに内定者との接点を作りたい中小企業には、LINE公式アカウントを使った自社運用が最初の一歩になります
- 内定期間中にビジネスマナーなど社会人としての基礎知識を学ばせたい企業には、内定者パックのようなeラーニング型のサービスが選択肢になります
- 内定者が複数いて、誰が不安を感じているかを早期に把握したい企業には、PEPSのようなパルスサーベイ型のサービスが選択肢になります
- 内定者と社員の交流を継続的に生み出し、入社後の定着まで一貫して運用したい企業には、TUNAGのようなエンゲージメントプラットフォームが選択肢になります
いずれの手段も「内定者と定期的に接点を持ち続けること」が目的である点は共通しています。まずは自社が内定者フォローにどこまで手間とコストをかけられるかを整理してから比較すると選びやすくなります。
比較表:内定者フォロー・内定辞退防止サービス
| サービス | 特徴 | 料金目安 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 内定者パック(株式会社プロシーズ) | 内定〜翌年6月末まで使えるeラーニング型サービス。ビジネスマナーなど15万人以上が学習したオリジナル教材が受け放題 | 内定者1名あたり5,000円(税抜)〜+初期費用25,000円 | 内定期間中に社会人としての基礎知識を学ばせたい企業 |
| 内定者パルスサーベイ PEPS(株式会社アールナイン) | 月1回・20問程度のアンケートを内定者に配信し、コンディションの変化や辞退リスクを可視化するパルスサーベイ型 | 公式サイト非公開・要問い合わせ | 内定者が複数おり、誰のフォローを優先すべきか早期に把握したい企業 |
| TUNAG(株式会社スタメン) | 社内SNS・エンゲージメントプラットフォーム。内定者向けコミュニティ機能や社員との交流を通じて帰属意識を高める。内定者のみの部分導入も可能 | 公式サイト非公開・要問い合わせ(利用人数・活用方法により変動) | 内定〜入社後まで一貫して社員との交流を継続したい企業 |
| LINE公式アカウント(自社運用) | 専用の内定者フォローツールではないが、多くの中小企業が実際に活用している方法。グループ・個別メッセージで連絡や相談対応ができる | フリープラン:無料(月200通まで)/ライトプラン:月5,000円(税別、月5,000通まで)/スタンダードプラン:月15,000円(税別、月30,000通まで) | まずは費用をかけずに内定者との接点を作りたい中小企業 |
料金が非公開のサービスは「要問い合わせ」が前提
PEPSやTUNAGのように、公式サイト上で料金を公開していないサービスもあります。利用人数や活用範囲によって費用が変わる仕組みのため、正確な金額は各社に見積もりを依頼して確認することをおすすめします。
各サービスの解説
内定者パック(株式会社プロシーズ)
内定者向けのeラーニング・LMSサービスです。ビジネスマナーや社会人としての基礎知識など、15万人以上が受講したオリジナル教材を、内定から翌年6月末までの期間中受け放題で利用できます。料金は内定者1名あたり5,000円(税抜)からで、初期費用は25,000円と公式サイトに明記されており、費用感を事前に把握しやすい点が特徴です。内定期間の「空白の時間」を学習コンテンツで埋めたい企業に向いています。
内定者パルスサーベイ PEPS(株式会社アールナイン)
月に1回、20問程度の簡単なアンケートを内定者に配信し、5分程度で回答できるパルスサーベイ型のサービスです。内定者のコンディションの変化や辞退リスクを数値・スコアとして可視化できるため、「誰に、いつ、どのようなフォローが必要か」を担当者の勘に頼らず把握したい場合に役立ちます。料金は公式サイト上では公開されておらず、問い合わせが必要です。
TUNAG(株式会社スタメン)
社内SNS型のエンゲージメントプラットフォームで、もともとは既存社員向けの組織づくりツールとして提供されていますが、内定者だけを対象にした部分的な導入も可能です。内定者向けのコミュニティ機能を通じて、社員との日常的な交流や情報発信を継続できる点が特徴で、内定期間だけでなく入社後の定着支援まで一貫して同じ基盤で運用したい企業に向いています。料金は公式サイト上で公開されておらず、利用人数や活用方法に応じた見積もりが必要です。
LINE公式アカウント(自社運用)
専用の内定者フォローサービスではありませんが、実際には多くの中小企業がLINE公式アカウントを開設し、内定者グループへの一斉連絡や個別の相談対応に活用しています。フリープランなら月200通まで無料で送信でき、送信数が増えてもライトプラン(月5,000円・月5,000通まで)やスタンダードプラン(月15,000円・月30,000通まで)へ切り替えられます。専用ツールのような可視化機能はありませんが、費用をかけずに接点を持ち始めたい企業にとって現実的な選択肢です。
ツールより「誰が連絡するか」が定着を左右する
どのサービスを選んでも、内定者にとって一番の安心材料は、採用担当者や先輩社員からの生身の連絡です。ツールはあくまで接点をつくる・可視化するための手段であり、実際に声をかける運用体制とセットで考えることが欠かせません。
こんな企業に向いている(タイプ別)
まず費用をかけずに内定者フォローを始めたい企業
内定者フォロー専用の予算を確保しづらい場合は、LINE公式アカウントの無料プランから始め、内定者数や配信頻度が増えてきた段階で有料プランへの切り替えを検討する進め方が現実的です。
内定期間中に社会人としての基礎知識を身につけさせたい企業
入社後の研修だけでは時間が足りず、内定期間中からビジネスマナーなどの基礎を学ばせたい場合は、内定者パックのようなeラーニング型のサービスが選択肢になります。
内定者が複数いて、フォローの優先順位をつけたい企業
内定者の人数が多く、担当者の主観だけでは誰が不安を抱えているか把握しづらい場合は、PEPSのようなパルスサーベイ型のサービスで定量的に状況を確認する方法が役立ちます。
内定〜入社後まで一貫した定着支援に取り組みたい企業
内定期間だけでなく、入社後のオンボーディングや既存社員とのエンゲージメント向上まで見据えている場合は、TUNAGのようなプラットフォームを内定者フォローの段階から導入しておく方法もあります。
よくある質問
内定者フォローはいつから始めるべきですか?
内定を出した直後から始めるのが基本です。特に高卒採用は内定から入社までの期間が長くなりやすく、連絡が途絶える期間が長引くほど内定者は不安を感じやすくなります。内定通知のタイミングで、次にいつ・どのような形で連絡するかを事前に伝えておくと安心感につながります。
高卒採用でも内定者フォローは必要ですか?
はい。高卒採用の多くは一人一社制のもとで進むため、大卒採用のように複数社を比較した末の辞退は起こりにくい一方、本人の孤独感や、進路指導の先生・保護者に伝わる不安がきっかけで気持ちが揺らぐケースがあります。ツールの有無にかかわらず、定期的な連絡や、先輩社員と話す機会を作ることが効果的です。
ツールを導入すれば内定辞退や早期離職はなくなりますか?
なくなるわけではありません。ツールはあくまで内定者との接点を作る・状況を可視化するための手段であり、実際に誰が・どのくらいの頻度で連絡するかという運用体制が伴わなければ効果は限定的です。まずは自社の体制でどこまで対応できるかを整理したうえで、ツールの必要性を検討することをおすすめします。
費用をかけずにできることはありますか?
あります。LINE公式アカウントの無料プランでのメッセージ配信のほか、内定者を対象にした職場見学会や先輩社員との座談会など、ツールを使わない形の接点づくりも効果的です。ツールの導入は、こうした運用がある程度回るようになってから検討しても遅くありません。
まとめ
高卒・若手採用における内定者フォローは、内定を出して終わりではなく、入社までの期間をどう過ごしてもらうかという継続的な取り組みです。厚生労働省の調査でも、新規高卒就職者の離職は1年目に最も多く発生しており、内定期間中の丁寧な接点づくりが、入社後の定着にもつながる入り口であることがうかがえます。
内定者パックのようなeラーニング型、PEPSのようなパルスサーベイ型、TUNAGのようなエンゲージメントプラットフォーム型、そしてLINE公式アカウントを使った自社運用まで、サービスごとに得意とする役割は異なります。優劣で選ぶのではなく、自社が内定者フォローにどこまでの手間とコストをかけられるかを基準に選ぶことが大切です。
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出典
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