雇入時健康診断(新入社員健診)代行サービス比較|高卒・若手社員の入社時健診を中小企業がどう効率化するか【中小企業向け】
2026.09.09

高卒採用や新卒採用では、4月に複数名が同時に入社するケースが珍しくありません。その全員に対して、労働安全衛生法に基づく「雇入時の健康診断」を実施する必要がありますが、医療機関への予約連絡、受診日程の調整、結果票の回収とデータ化、労働基準監督署への対応まで、人事・総務担当者が一人で抱え込むと入社月の大きな負担になります。ハローワークや採用媒体を使って母集団形成に力を入れてきた企業ほど、いざ内定者が入社するタイミングでこうした事務作業のボリュームに気づくことも多いのではないでしょうか。
雇入時健康診断は、あとで触れる通り検査項目の省略が認められておらず、定期健康診断よりも実施すべき項目が多くなりがちです。特に高卒の新卒者は、直前3か月以内に同等の健康診断を受けた証明書を持っているケースがほとんどないため、原則として全項目を新たに受診してもらう必要があります。こうした背景から、健診機関への予約や結果管理を外部の代行サービスに任せる中小企業が増えています。本記事では、雇入時健康診断の代行サービスを客観的に比較し、自社に合う選び方を整理します。
高卒新卒者は『健診の全項目実施』が原則になりやすい
雇入時健康診断は、直前3か月以内の健診結果証明書を提出できる場合に限り項目を省略できます。初めて働く高卒・若手社員の多くはこの証明書を持たないため、11項目すべてを新たに受診する対象になりやすい点を踏まえて準備する必要があります。
雇入時健康診断・代行サービス比較表
| サービス | 特徴 | 料金目安 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| バリューHR(VCバリューパック/Lite) | 全国4,000機関以上の健診機関と提携。健診結果管理・ストレスチェック・健康相談などをシステムで一元管理し、標準プランは健診予約・精算代行も対応。数名〜300人規模の企業が対象 | VCバリューパック:初期40万円(税抜)+月360円/人。Lite:初期20万円(税抜)+月180円/人(いずれも公式サイトに記載) | 健診予約から結果管理、労基署への報告書作成までシステムでまとめて効率化したい企業 |
| けんさぽ(株式会社Personal Health Tech) | 健康管理システムと、健診予約・受診状況管理・結果データ化・産業医への報告・労基報告書作成などのアナログ業務代行をセット提供 | 月額100円/人〜(公式サイトに記載、企業規模により変動) | まずは低コストで健診まわりの事務作業を外部委託してみたい企業 |
| ホームネット株式会社(健康診断予約代行サービス) | 予約代行・精算代行・結果回収など、必要な業務だけを選んで委託可能。全国約2,000か所の医療機関と提携し、人間ドック・定期健診・雇入時健診・特殊健診・婦人科検診に対応 | 公式サイトに料金表の記載なし(見積もり制) | 少人数の入社でも、必要な業務だけをスポットで委託したい企業 |
| 株式会社エスプールリンク(健康診断予約代行) | 採用支援(RPO)で培ったBPOのノウハウを活かし、医療機関の選定から予約・日程変更対応・結果のデータ化まで一括代行。地方拠点のセンターで運営し、センター従業員の約8割が正社員 | 公式サイトに料金表の記載なし(個別見積もり) | 採用から入社後の事務まで、まとめて外部委託先を揃えたい企業 |
※料金・サービス内容は変更される可能性があるため、導入検討時は必ず各社公式サイトで最新情報を確認してください。
そもそも雇入時健康診断とは
労働安全衛生規則第43条では、事業者が常時使用する労働者を雇い入れる際に、医師による健康診断を実施することが義務づけられています。対象は正社員に限らず、契約期間の定めがない者や、更新により1年以上(有害業務等の特定業務従事者は6か月以上)使用される見込みのパート・アルバイトも、所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上であれば対象になります。
検査項目は、既往歴・業務歴の調査、自覚症状・他覚症状の検査、身長・体重・腹囲・視力・聴力の検査、胸部エックス線検査、血圧測定、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、尿検査、心電図検査の11項目です。定期健康診断では年齢等に応じて一部項目の省略が認められていますが、雇入時健康診断ではこうした省略基準は適用されません。なお、雇入れの直前3か月以内に同等の健康診断を受け、その結果証明書を提出した場合は、相当する項目について実施を省略できます。
雇入時健診は労基署への結果報告義務がない
定期健康診断は常時50人以上の労働者を使用する事業場で結果報告書の提出が義務づけられていますが、雇入時健康診断は「定期のものに限る」報告義務の対象外です。ただし社内での健診個人票の作成・保存義務はあるため、記録管理自体は省略できません。
なぜ今、中小企業でも健診代行サービスが検討されているのか
高卒採用・若手採用に力を入れる中小企業ほど、4月に複数名がまとまって入社する傾向があります。人事・総務の担当者が少人数の会社では、内定者フォローや入社手続きの電子化と並行して、健診機関への予約連絡や結果票の回収、データ入力までを担当者が一人でこなすことになりがちです。
前述の通り、雇入時健康診断は項目の省略が認められていないため、定期健康診断よりも受診時間が長くなりやすく、医療機関側の受け入れ枠の調整にも手間がかかります。予約から結果管理までを外部サービスに任せることで、担当者は内定者フォローや研修準備など、人にしかできない業務に集中しやすくなります。
各社の特徴
バリューHR(VCバリューパック/VCバリューパック -Lite-)
全国4,000機関以上の健診機関と提携し、健診結果管理システムを軸に、健康相談やストレスチェック、健康経営に関する行動変容プログラムまでを一元管理できるサービスです。中小規模法人向けの「VCバリューパック」(標準)は健診予約代行・精算代行にも対応し、初期費用40万円(税抜)+月360円/人。予約・精算代行を含まず結果管理に特化した「VCバリューパック -Lite-」は初期費用20万円(税抜)+月180円/人です。いずれのプランも労働基準監督署への報告書作成に対応しており、対象は数名〜300人規模の企業とされています。
けんさぽ(株式会社Personal Health Tech)
健康管理システム「ログシル」と、健診予約・受診状況管理・リマインド・結果データ化・産業医への報告・労基報告書作成といったアナログ業務のアウトソーシングをセットで提供するサービスです。料金は月額100円/人〜と公式サイトに記載されており、企業規模に応じてプランを調整できます。プライバシーマークを取得しており、健診データの暗号化やアクセス権限管理を行っている点も特徴です。
ホームネット株式会社(健康診断予約代行サービス)
予約代行・精算代行・結果回収など、必要な業務だけを選んで委託できる点が特徴のサービスです。全国約2,000か所の医療機関と提携しており、人間ドックや定期健診に加え、雇入時健診・特殊健診・婦人科検診(乳がん・子宮がん)にも対応しています。料金は公式サイトに記載がなく、個別見積もりが必要です。
株式会社エスプールリンク(健康診断予約代行)
採用支援(RPO)事業で培ったBPOのノウハウを活かし、医療機関の選定から予約代行、日程変更・キャンセル対応、受診状況の管理、健診結果のデータ化までを一括で代行するサービスです。健康診断業務に特化したセンターを地方拠点で運営し、センター従業員の約8割が正社員として勤務している点を公式サイトで紹介しています。料金は個別見積もりとなっています。
タイプ別おすすめ(向いている企業)
健診予約から労基報告書作成までシステムでまとめて管理したい企業なら
健診結果管理システムと予約・精算代行、労基報告書作成までを一体で提供するバリューHRのようなサービスが候補になります。
まずは低コストで一部の事務作業だけ外部委託したい企業なら
月額100円/人〜からと料金が明確なけんさぽのようなサービスは、初めて健診業務の一部を外部委託する際に検討しやすい選択肢です。
少人数の入社にあわせてスポットで依頼したい企業なら
必要な業務だけを選んで委託できるホームネットのようなサービスは、毎年の入社人数にばらつきがある企業でも無駄なコストをかけずに利用しやすい形です。
採用から入社後の事務まで外部委託先をまとめたい企業なら
採用支援(RPO)と同じグループで健診予約代行を提供するエスプールリンクのように、採用から入社後の事務までを見据えて委託先を検討したい企業に向いています。
よくある質問
雇入時健康診断はパート・アルバイトにも実施が必要ですか?
契約期間の定めがない場合や、更新により1年以上(有害業務等の特定業務従事者は6か月以上)使用される見込みがあり、かつ所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上であるパート・アルバイトは実施対象になります。4分の3未満でもおおむね2分の1以上であれば実施が望ましいとされています。
費用は会社と本人のどちらが負担するのですか?
労働安全衛生法に基づき事業者に実施義務が課されている健康診断であるため、費用は事業者が負担するのが原則です。代行サービスの利用料と、健診機関に支払う実費(診察料)は別に発生する点にも注意が必要です。
前職の健診結果があれば省略できますか?
雇入れの直前3か月以内に医師による健康診断を受け、その結果を証明する書面を提出した場合は、相当する項目について実施を省略できます。ただし高卒の新卒者など、直前に健診を受けていないケースでは、原則としてすべての項目を新たに受診することになります。
代行サービスを使えば健診個人票の作成・保存は不要になりますか?
多くの代行サービスは結果データの入力やシステム上での管理を代行してくれますが、健康診断個人票の作成・保存義務そのものは事業者にあります。サービスがどこまでの範囲を代行してくれるのか、契約前に業務範囲を確認することが大切です。
まとめ
雇入時健康診断は、労働安全衛生規則第43条により全ての事業者に実施が義務づけられており、定期健康診断と異なり項目の省略が認められていません。高卒採用のように複数名が同時期に入社する企業ほど、健診機関への予約や結果管理にかかる事務負担が大きくなりやすく、外部の代行サービスを活用する動きが広がっています。
バリューHRのように健診結果管理から労基報告書作成までシステムで一体化するサービス、けんさぽのように低コストから始められるサービス、ホームネットのように必要な業務だけを選んで委託できるサービス、エスプールリンクのように採用支援と合わせて委託先を検討できるサービスなど、それぞれ特徴が異なります。優劣で選ぶのではなく、自社の入社人数や既存の事務体制との相性で選ぶことが大切です。
内定者フォローや入社手続きの電子化とあわせて、入社時の健診業務もどう効率化するかを整理しておくと、入社月の担当者の負担を抑えながら、高卒・若手社員の受け入れ体制を整えやすくなります。「自社にどんな体制が合うか分からない」という方は、若手採用ラボの無料相談・資料ダウンロードもあわせてご活用ください。
出典
- https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000103900.pdf
- https://jsite.mhlw.go.jp/tochigi-roudoukyoku/library/tochigi-roudoukyoku/seido/eisei/teiki.pdf
- https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032
- https://www.valuehr.com/service_kenshin.html
- https://service.valuehr.com/vc/servlet/question.corporate.QuestionServ/lp.form?mode=lp_vcvp
- https://knsp.jp/
- https://www.homenet-24.co.jp/service/medical-examination/
- https://link.spool.co.jp/kenkoushindan
採用の悩みを相談する
無料相談を予約する

