高卒採用の初任給、2026年度はいくらが妥当?企業規模別データで見る相場と対策
2026.07.28

高卒採用の求人票を作るとき、多くの採用担当者が最初に立ち止まるのが「初任給をいくらにするか」という項目です。すでにハローワークへの求人登録や学校訪問には取り組んでいて、あとは条件面をどう固めるかを検討している、という段階の方も多いのではないでしょうか。
近年は大卒・高卒を問わず初任給の引き上げが続いており、「去年と同じ金額」で求人票を出すと、他社と比べて見劣りしてしまうケースが増えています。とはいえ、初任給を上げ続けるだけでは体力のある大企業に勝てません。まずは公的統計から相場の実態を押さえ、そのうえでどう向き合うかを整理します。
2026年度の高卒初任給は全国平均20.7万円、企業規模による差も拡大中
厚生労働省の調査では高卒初任給の全国平均は20万7,300円(前年比+5.0%)。企業規模1,000人以上と10〜99人規模では、月額で1万円台後半の差がついています。
2026年度の高卒初任給、全国平均はいくらか
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、2025年に高校を卒業して就職した人の初任給(全規模計・男女計)は月額20万7,300円で、前年から5.0%上昇しました。大卒初任給との差は残るものの、高卒初任給も右肩上がりの傾向が続いています。
求人票に記載する金額を検討する際は、この全国平均が一つの目安になります。ただし、あくまで全国・全業種を平均した数字であるため、自社の地域・業種の相場と照らし合わせて考える必要があります。
企業規模で見える「初任給格差」
同じ統計を企業規模別に見ると、次のような差があります。
| 企業規模 | 高卒初任給(月額) |
|---|---|
| 1,000人以上 | 21万6,500円 |
| 10〜99人 | 19万9,900円 |
その差はおよそ1万6,600円。中小企業がこの差をそのまま初任給の上乗せだけで埋めようとすると、人件費への負担は小さくありません。
初任給だけで埋めようとすると体力勝負になる
大企業との初任給差は月1万6千円台。年収換算では20万円前後の差になりますが、これを毎年の昇給ペースで追いかけ続けるのは中小企業にとって現実的ではありません。
なぜ初任給の引き上げが止まらないのか
背景にあるのは、若年層の採用市場そのものが売り手側に傾いていることです。本サイトでも取り上げた通り、高卒の求人倍率は過去最高水準まで上昇しており、企業側が「選ばれる」ために条件面を見直す動きが続いています。
帝国データバンクの「初任給に関する企業の動向アンケート(2026年度)」でも、2026年度に初任給を引き上げた企業は全体の約7割にのぼり、平均引き上げ額は9,462円という結果が出ています。引き上げを実施した企業の割合は中小企業の方がやや高い一方、引き上げ額そのものは大企業がわずかに上回っており、規模による格差は簡単には縮まらない構図です。
初任給だけで戦わないという選択肢
初任給の相場を把握することは重要ですが、「相場より高く出す」ことだけを目標にすると、体力のある企業との消耗戦になりがちです。高校生や保護者、進路指導の先生が見ているのは金額だけではありません。
- 入社後の教育・研修制度が整っているか
- 若手社員が定着し、活躍している事例があるか
- 会社の雰囲気や仕事内容が求人票やSNSで具体的に伝わっているか
といった要素も、進路選択における比較材料になっています。初任給で決定的な差をつけられない中小企業ほど、こうした「金額以外の訴求」を求人票やSNS発信の中でどう伝えるかが重要になります。
初任給は「土台」、選ばれる理由はその先にある
相場を大きく下回らない水準を確保したうえで、教育体制や職場の雰囲気など、金額以外の情報をどれだけ具体的に伝えられるかが差になります。
初任給を決める前にチェックしたい3つの視点
- 自社の業種・地域の相場:全国平均だけでなく、同業種・近隣企業の求人票も参考にする
- 昇給・賞与を含めた実質的な処遇:初任給だけでなく、1〜3年後の年収イメージも求人票で伝えられるか
- 金額以外に伝えられる魅力があるか:教育制度・定着率・社員の声など、初任給以外の判断材料を用意できているか
まとめ
2026年度の高卒初任給は全国平均20万7,300円で、企業規模による差も拡大しています。中小企業にとって、この差を初任給の引き上げだけで埋めるのは簡単ではありません。
大切なのは、相場から大きく外れない水準を確保したうえで、教育制度や職場の雰囲気、若手の活躍事例といった「金額以外の魅力」をどれだけ具体的に伝えられるかです。求人票やSNS発信の内容を見直すことも、初任給の引き上げと同じくらい効果のある打ち手になります。
自社の求人条件や伝え方が今のままで十分か判断が難しいという方は、無料相談や資料ダウンロードもご活用いただけます。自社の採用の現状を客観的に整理するところから始めてみてください。
出典
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